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母関数・特性関数

概要

確率分布を特徴づける関数として、確率母関数、積率母関数、特性関数がある。
これらは1つの確率分布に対して1対1で対応し、
確率関数や積率(モーメント)を求める際に非常に役立つ。

確率母関数

確率母関数の定義

確率変数XXの標本空間を非負の整数全体X=0,1,2,X = {0,1,2, \dots}とし
p(k)=P(X=k)p(k) = P(X = k)とする。s1|s| \le 1となるssに対して

GX(s)=E[sX]=k=0skp(k)G_X(s) = E[s^X] = \sum_{k = 0}^{\infty}s^kp(k)

確率母関数を展開すると
GX(s)=p(0)+sp(1)+s2p(2)++skp(k)+G_X(s) = p(0) + sp(1) + s^2p(2) + \cdots + s^kp(k) + \cdots
となるので
p(0)=GX(0),p(1)=GX(0),p(2)=(1/2)GX(0)p(0) = G_X(0), p(1) = G'_X(0), p(2)=(1/2)G''_X(0)
一般化すると以下のようになる。

p(k)=1k!dkdskGX(s)s=0=1k!GX(k)(0)p(k) = \frac{1}{k!}\frac{d^k}{ds^k}G_X(s)\vert_{s=0} = \frac{1}{k!}G_X^{(k)}(0)

これは、確率母関数GX(s)G_X(s)は確率関数p(k)k=1,2,p(k) k=1,2,\dotsを生成する関数であることを示している。
(母関数がGenerating Functionと言われれる所以)

また、GX(s)=E[XsX1],GX(s)=E[X(X1)sX2]G'_X(s) = E[Xs^{X-1}], G''_X(s) =E[X(X-1)s^{X-2}]
一般化すると
GX(k)(s)=E[X(X1)(X2)(Xk+1)sXk]G^{(k)}_X(s) = E[X(X-1)(X-2)\cdots(X-k+1)s^{X-k}]
よって、kk次階乗モーメントは、以下のように与えられる。

GX(k)(1)=E[X(X1)(X2)(Xk+1)]G^{(k)}_X(1) = E[X(X-1)(X-2)\cdots(X-k+1)]

積率母関数・特性関数

積率母関数の定義

任意のh>0h \gt 0が存在し、t<h|t| \lt hとなるすべてのttに対して
次の関数が存在するとき、MX(t)M_X(t)XXの積率母関数という。

MX(t)=E[etX]M_X(t) = E[e^{tX}]

尚、積率母関数と確率母関数との関係は次式で与えられる。
MX(t)=GX(et)M_X(t) = G_X(e^t)

特性関数の定義

i2=1i^2 = -1を満たす虚数単位iiに対して、オイラーの公式より

φX(t)=E[eitX]=E[cos(tX)+isin(tX)]\varphi_X(t) = E[e^{itX}] = E[cos(tX)+isin(tX)]

積率母関数と特性関数との関係はφX(t)=MX(it)\varphi_X(t) = M_X(it)
で与えられる。
積率母関数と特性関数いずれもモーメントを生成する関数であるが、
φX(t)=11|\varphi_X(t)| = 1 \le 1より特性関数は常に存在する事から、
特性関数を用いるほうが望ましいといえる。

ここで、確率変数XXの原点周りのkk次モーメントを求める。
積率母関数、特性関数それぞれをttについてkk回微分する事により

E[Xk]=dkdtkMX(t)t=0=MX(k)(0)E[X^k] = \frac{d^k}{dt^k}M_X(t)|_{t=0} = M_X^{(k)}(0) E[Xk]=1ikdkdtkφX(t)t=0=1ikφX(k)(0)E[X^k] = \frac{1}{i^k}\frac{d^k}{dt^k}\varphi_X(t)|_{t=0} = \frac{1}{i^k}\varphi_X^{(k)}(0)

ここで、尺度aaと位置bbを含めた確率変数aX+baX+bに対する特性関数を求めると
φaX+b(t)=E[ei(aX+b)t]=ebitE[eaitX]=ebitφX(at)\varphi_{aX+b}(t) = E[e^{i(aX+b)t}] = e^{bit}E[e^{aitX}] = e^{bit}\varphi_{X}(at)